5.時を経て味わいを増す空間
住空間づくりは20年~40年程度の長いスパンで生活環境・家族関係・人生設計を考えることです。
時代や家族の変化に対応できるプランや色あせない材料・植物を用い、完成時の一時の輝きではない、時を経て味わいを増す空間を目指します。
変化
数十年の人生のスパンのなかでは、家族構成の変化は特に大きいものです。子供が生まれ、育ち、巣立つ過程で、家族の人数と必要とされる部屋・機能は大きく変化します。間仕切りで部屋の可変性を確保したり、用途の変更などに対応できるプランをあらかじめ考えておくことが重要です。
材料
家具は頑丈でデザインの良いものを選ぶと、悪くなったら直し・磨き・長く使い続けることでき、独特の色や風合い・艶を持つようになり愛着を持つことができます。
家自体も同様に、木・土・レンガ・石などの本物の材料は時を経るにつれ馴染み、使い込まれることで味わいを増し、愛着を持てる家となります。
いずれも愛着を持ち、直し使い続けられるものであることが何よりも大事なことです。愛着を持てないモノが永遠に不滅であっても何の価値もありません。
植物
家を建てたときに植えた木は、子供の成長と共に大きくなり、20年、30年後には立派な大樹となり、家を守ってくれます。またその時間の経過が形として見えるということも、自分の住まいに愛着を持ち安心感を覚える要素の一つとなってくれます。
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