DETAIL
オーナー
30代ご夫婦
イタリア関係の輸入商社勤務
敷地
23区内の川沿いの公園に隣接した土地。風致地区にも指定されている緑豊かな敷地。
ご要望
都心の密集住宅地ながらも、ご自分での庭づくりや野菜づくりをできる庭を中心とした住まいを強く望まれました。また、様々な自然素材を用いたいということと、風や太陽など自然の力を生かす家、というリクエストでした。イタリアと日本を行き来する仕事をしているので、むしろ海外からの来客に対しても日本の良さを感じられる家であることも求められました。
計画
細長い敷地とご要望に対していくつかの案を提示し、様々な議論の末にたどり着いたのは、この敷地だからこそ可能な、1階南側・北側に加えて2階にもあえて外部スペースを大きくつくる、3つの庭を持つプランでした。1階に寝室と風呂・洗面とプライベート空間をまとめ、2階にリビングとキッチンを中庭をはさんで配置しました。
中庭は、屋外での食事や読書、体操、野菜を育てるなど、一つの部屋として様々に利用されます。また、ダイニングキッチンと大きな窓でつながることで、それぞれの空間が実際以上の広さにも感じられます。
2階では、いくつかの窓と中庭をはさんで建物の端から端まで見通せることで、外の公園までつながる空間の奥行きが強調され、離れながらもつながる家族同士の絶妙な距離感も生まれました。空や隣地の公園へと視界が開かれ、空が非常に近くに感じる、明るく開放的な空間です。
内部は白を基調とすることで、空の青さ、外の風景、素材の質感、人間、光が非常に美しく映えます。
素材
床には天然オイル仕上げのムクのバーチフローリング、壁はウッドチップを挟み込んで調湿作用を持たせたドイツ製のエコ壁紙を用い、ミニマルなインテリアの中にも自然素材の手触りや雰囲気を楽しめる家になりました。また、ステンレスやアルミ・樹脂などの無機質な材料も自然素材と共に用いることで、コントラストにより素材感がより引き立つ住まいとなりました。
キッチン
キッチンはI型としてダイニングキッチンとしました。コンパクトながらも通常よりもカウンターの奥行きがたっぷりと取られ、シンク上も作業台として使えるため、ほとんど動かずに作業が行えます。上からも左右からも光が降り注ぐ、明るい作業空間です。
浴室
浴室は手入れのしやすいハーフバスユニットを用い、壁はヒノキのムク材で仕上げました。ヒノキの香りが抗菌防虫効果と共に、森林浴のようなリラックスする効果をもたらしてくれる、気持ちの良い浴室です。
庭
2階のオープンな外部スペースはハーブやオリーブなどのキッチンガーデンとなります。
南側は落葉樹を中心として花や果樹や紅葉を楽しめる明るい庭、北側にはモミジなど和を感じさせる庭をつくる予定です。