Rガーデンは、建築家夫婦の友人の自邸の庭です。
工事前のお庭は、マツ・マキ・カイヅカイブキ等の常緑樹がいっぱいに茂ったお庭でした。
建て替え時にお庭の樹木を計画させていただいて、元々あった草木と、新しく植えてもらったもの、それにオーナーが年々加えていった草花によって、徐々に形成された庭です。
当初の設計意図は、数十年かけて常緑樹で覆いつくされた庭を整理し、落葉樹を加えて、光の入るさわやかな庭に変えることでした。
また、若葉・花・実・紅葉と、四季の変化を楽しめる庭へと変えることも大きなテーマでした。
南側の明るい庭には、既存のツツジやアガパンサスを生かしつつ、ジューンベリーやカエデ・アジサイ等を加え、明るい葉の色と、果実の採取、紅葉を楽しめるように計画しました。
西側建物と既存の塀の間の日陰になる部分には、明るい葉の形や色を楽しめるように、ギボウシ・スゲ・アスチルベ・シダ等、日陰を彩ってくれる草を植えこみました。 |
竣工以来かれこれもう9年経ち、ずいぶん豊かなお庭になりました。
写真はオーナーが四季折々の変化を撮り続けたたものです。
デザイナーならではの視線で花や葉の形態や色彩の美しさを見つめ、ディテールの興味深さ、形態の取り合わせや、日々の細かな変化を楽しんで眺めてもらっていることがよくわかります。
建物周り奥行1~2mほどの庭にも、これだけの植物の種類と季節ごとの見所があるということにも改めて驚かされます。
庭は完成した時は始まりにすぎず、草木は植えてから3年くらいでようやく根付き、本格的な成長を始めます。
その後は、伸びすぎた枝を切り、株分け、広い場所への移動や、間引き、空いたスペースには新たに植える等の作業が継続的に必要になります。
ある程度は植木屋さんにお願いできますが、美しく保ち続けるには、常に少しづつ庭をいじる必要もあります。
そうしてできた庭は、いつまでも眺めていたいような非常に強い愛着が沸きます。
「庭を持つ」という喜びを最大限に体現し続けてもらっているお庭です。 |