FURUKAWA DESIGN OFFICE

株式会社フルカワデザインオフィス一級建築士事務所
東京都渋谷区上原2-1-11-4F  tel 03-6804-8373 info@furukawa-d.com

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ATLAS HOUNAN VILLAGE

アトラス方南ビレッジ

旗竿状敷地の中層マンションのアプローチ計画。"建築との調和、自然との調和"をテーマに、さわやかな木々の中を歩く、まるでホテルのアプローチような通路です。都会の喧騒から離れ、ほっとできる家路のひと時を提供しています。

  所在地:東京都杉並区
  分類:ランドスケープ設計・監理
  規模:1400㎡  
  竣工:2011年
  開発:旭化成不動産レジデンス
  建築:有限会社広末設計

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物件

コーポラティブ方式のマンションの建替え計画

敷地

善福寺川沿いの旗竿状の細長い部分を持つ変形敷地。通路は駐車場として利用されていました。周囲は中層マンションに囲まれていますが、川沿いに公園が続く緑豊かな環境です。

計画

"建築との調和・自然との調和"をテーマに、白いタイル貼りのマンション外観に合わせたデザインのゲートを設け、舗装材料のイメージも合わせることで、エントランスロビー内部の雰囲気をアプローチまで連続させました。
また、さわやかな雰囲気の樹木や低木を豊かに植栽することで、緑豊かな周辺環境のイメージも敷地内に取り込みました。
入口ゲート・景石・分かれ道・様々な樹木・照明などにより、単調になりがちな通路にゲートの通過・スペースの大小・分かれ道等の空間体験や、視線の移動・香り・色・音の変化等の人間の感覚の"動き"を盛り込み、50m近い通路を毎日飽きずに歩けるデザインとしました。
全体は300mmのモデュールで構成し、ゲート・舗装・ベンチ・植栽・照明・集水枡・側溝を統一した寸法とデザインでまとめました。
都会の喧騒から離れ、ほっとできる家路のひと時をもたらすアプローチです。

環境の持続可能性

新たにつくる環境の持続可能性に関しては特に配慮し、照明の省電力化と敷地内での雨水の浸透を徹底しました。
透水平板(水を通す舗装材料)・浸透枡・浸透管を用いて雨水を直接敷地内に浸透させることで、敷地外への雨水の流出を抑制し、近年のゲリラ豪雨等による排水施設のパンクを防ぎ、また都市環境の乾燥化を緩和することを目指しています。
また照明設備は樹木のライトアップ照明にいたるまで全てLEDを用い、通常の外構照明と比べ、大幅な省電力化・長寿命化を実現しました。

植栽

植栽はさわやかな明るい緑色の葉を基調として、葉が小さく、枝の細い繊細でシンプルなイメージものを選びました。
入口のシンボルツリーにはエゴノキを2本並べ、通路内はアオダモ・ジューンベリー・コハウチワカエデなど、新緑・花・果実・紅葉と季節を彩ってくれる樹木を植えました。
屋上庭園のブルーベリーも、果実や美しい紅葉で一年中楽しませてくれます。
メンテナンス性も考慮し、大きくなりすぎず、手入れの手間もかかりにくい丈夫な樹種を選定しました。

材料

舗装には天然石材を用いた透水平板を敷き詰め、エッジにも立ち上がりの無いシンプルなデザインとました。
入口と通路の途中には大きな御影石を置き、ベンチと景石の機能を持たせました。
様々な樹木の色やテクスチャ(質感)、大きな石材のずしりとした量塊感、天然石を削り出した舗装材料など、本物の材料の質感を味わうことができます。

照明

照明は入口ゲートと樹木のみをアッパーライトで目立たせ、あとはほんのりと足元を照らすガーデンライトがあるばかりの非常に落ち着いた雰囲気の照明計画としました。
家に帰る前に気持ちを鎮め、切り替えることのできる通路空間となりました。