物件
家族のための宿泊施設を併設した、家族葬専用ホール。
ご要望
あまり斎場らしくならないように、明るくさわやかなイメージの環境にして欲しいとのこと。また、家族の宿泊室まわりは、家庭的で親しみやすいガーデンの雰囲気として欲しいとのご要望でした。
計画
親しい方達だけで静かに見送れる環境をつくるため、やわらかな雰囲気の株立ちの樹木を多く用いて、やさしく親しみやすい、心和む雰囲気を感じられる植栽計画としました。
また、家族の宿泊施設のアプローチには、やわらかい円弧状の通路と芝生の庭園エリアを設け、四季折々の花や実、また様々な葉色や形を楽しめる計画としました。
敷地の大部分を占める駐車場には、子供・高齢者や車椅子での移動に配慮し、歩行者用の通路と車寄せを明確に確保しました。
環境の持続可能性
駐車場のアスファルトの下には大規模な砕石層を持ち、大容量の貯水機能が確保されています。また、照明設備は樹木のライトアップ照明にいたるまで全てLEDを用い、通常の外構照明と比べ、大幅な省電力・長寿命化を実現しました。
植栽
植栽はさわやかな明るい緑色の葉を基調として、葉が小さく、枝の細い繊細でシンプルなイメージものを選びました。低木・潅木も多くの種類を組み合わせ、様々な葉の形や色彩を楽しめる計画としました。
外周には常緑樹を主体に囲い込み、内側を落葉樹でやわらかい雰囲気としました。
全体の入口周辺には柱のように直立するモミジバフウを並べ、シンボルツリーとしました。建物入口車寄せ周辺には株立ちのエゴノキやアオダモを用いて、シンボル性を持たせながらも、風にそよぐ姿がやさしく、やわらかな雰囲気をもたらしてくれます。
家族室前のアプローチには、ジューンベリー・シダレザクラ・ナナカマドなど、新緑・花・果実・紅葉と季節を彩ってくれる樹木を植えました。
メンテナンス性にも配慮し、手入れの手間のかかりにくい丈夫な樹種を選定しました。
材料
舗装材料は建物の外観に合わせ、白い天然石材を用いた透水平板とインターロッキングを用い、さわやかな雰囲気としました。
また、家族室の円弧状のアプローチは錆び色の伊勢砂利の洗い出し仕上げとし、建物際にも同じく伊勢砂利を敷き詰めることで、やわらかい雰囲気としました。
様々な樹木の色やテクスチャ(質感)、天然砂利の質感の味わい、また天然石を削り出した舗装材料など、本物の材料の質感のハーモニーを感じられます。
照明
照明は入口の樹木のみをアッパーライトで目立たせ、あとはほんのりと足元を照らすガーデンライトがあるばかりの非常に落ち着いた、家庭的な雰囲気の照明計画としました。