DETAIL
オーナー
30代ご夫婦+子供2人
大手メーカー勤務
敷地
軽井沢らしいカラマツ林の中の別荘地。隣地には小川が流れ、浅間山を望む極めて緑豊かな敷地。
ご要望
「ツリーハウスのような家を」という独特のリクエストが全ての始まりでした。また、断面が面白く立体的で楽しい家、木や漆喰などの天然素材をふんだんに使い、なおかつ極めて機能的な家を、とのご希望でした。別荘地に定住して都市部に通う、新しいライフスタイルのための家です。
計画
ツリーハウスのような・・・という要望に対して、長い間考えに考えた末に出てきた案は、まるでカラマツの木を構造にしたような、独特な空間のプランでした。中心の丸柱から四方八方に伸びる梁を基本構造に、らせん階段状のスキップフロアが上昇し、小さな居場所があちこちに立体的に分散した、極めて立体的で高密度な空間の構成です。無駄なスペースは全く残されていません。
風致地区の細かな規制に合わせ、外観は周囲の景観に溶け込む落ち着いた別荘のようなたたずまいですが、内部には小宇宙とも呼べそうな空間が広がります。
全体は10の高さの異なるフロアに、大小18ものスペースが立体的に折り重なります。部屋と部屋の間は小さな穴・窓や階段でつながり、視線が上下左右、内外に抜けます。単独の部屋はほとんどなく、いくつかのスペースが集まって一つの部屋となり、あらゆる場所が他の場所と関わり、家全体が不思議な一体感を持ちます。
家の中から外を眺めると、様々な高さや方向に視界が開けます。居間の大きな窓からカラマツを見上げ、2階勉強部屋の机から浅間山を望み、寝室やロフトの小窓から木の葉や鳥を眺め、天窓から青空や夜空を望めます。眺望を額縁で切り取り、眺め、観察することのできる窓の配置とサイズとなっているため、家に住みながらバードウォッチングや訪れるリス・キツネなどの自然観察もできてしまいます。双眼鏡を常に手元に置きたくなるような家です。
素材
室内には調湿・消臭機能に特に優れた天然のスイス漆喰を用い、ざらざらとしたテクスチャで優しい雰囲気に包まれます。床はパインのムク材にオイル仕上げ、肌色のテラコッタタイル、柔らかなカーペット等を用いてあたたかな色調と素材感で統一し、家の内も外も自然の恵みに包まれる暮らしとなりました。
壁には様々な色のカラーガラスブロックがはめ込まれ、空間にアクセントを与えています。
キッチン
キッチンは極めて使い勝手の良い、コの字型です。シンク・コンロ・冷蔵庫・調理道具・食器など全ての機能に、それぞれ1歩づつで手が届きます。それでいて2、3人での調理にも対応できるスペースも確保しました。隣接してパントリーを用意することで、大容量の収納も確保。ダイニングとの間を遮るものはカウンターのみなので、キッチン・ダイニング・リビングがダイレクトにつながります。
また、キッチンで調理した料理を外部のウッドデッキに簡単に出せるように、シンクの前には上げ下げ窓が用意され、アウトドアでの食事がいつでも手軽に楽しめます。
浴室
浴室は非常に手入れのしやすいハーフバスルームを基本に、壁面は真っ白なモザイクタイル張りにして、山の方角に大きく開きました。真っ白な中に木々の緑だけが浮かび上がり、まるで林の中での入浴のように感じられます。
庭
今後少しづつ庭に手を入れる予定ですが、果樹や草花でさらに動物や虫たちが集まり、子供たちが遊びまわる、まるで楽園のような住まいを計画しています。